ロケンロ−ル編メニュ−にもどる・いぬちゃんメモ・メニュ−


◇ 95年夏、CD−ROMパラダイス(徳間書店)という雑誌に書いた原稿。

▼ この夏はぼくもCDーROMゲーム制作に取り組んでます。
今、この原稿を書いてる時点では、まだ全体の10分の1くらいしか内容はできあがってないのですが、この文章がこうして皆さんの目に触れているときには、すでに完成してないといけないスケジュールになってる。発売日も、もう8月25日と決定してしまってチラシや広告、プレスリリースまで出回りはじめている。バンダイビジュアルよりリリース。こりゃたいへんだ。間に合うのか? 発売は結局ズレてしまうのだろうか? そんなことになったら怒られる。契約違反だー。がんばらなきゃ。もしタイムアップしたら? 逃げるか? そんなわけにいくかい。そもそも自分で持ち込んだ企画、自分のキャラクターを全面に押し出した作品なのに。
「がんばれ! いぬちゃん/ロケンロール編」
かわいいどうぶつアイドルいぬちゃんがロックスターを目指して、ねこちゃん、さるちゃん、くまちゃん、めすいぬちゃん、など、どうぶつ仲間を集めてバンドを結成! 挫折を乗り越えて成長していく物語に、インタラクティブな要素を加えてロールプレイング風つうか人生ゲームぽいソフトにしました。
て、思ってるだけで、なんにも全然できてねえー。けど、必ずやるぞー。
いぬちゃんというキャラはもう、ぼくが小学生の頃から20年以上にわたって描き続けているもので、雑誌に載るようになって10年、マックで描くようになって6年。去年、単行本「いぬちゃん」もヤマハ音楽出版から出てるんですけど、買ってねー。
しかしペーパーメディアもいいけど、できればモニタの上でキャラが動いたほうがうれしい。キャラクターまんが描いてる人なら誰でもやっぱり自分のキャラがアニメ化されるのが最高の夢だ。しかも、そんな人はパソコンさえあれば、テレビ局から声がかかるのを待ってなくてもいい。自分ひとりの手でオリジナルアニメがサクサク作れるんだもん。素晴らしい時代がやってきたなあ。そして、ぼくも自宅でマックで、デスクトップ・コミックに取り組みました。
アニメっつってもチョコチョコカクカクしか動きませんが、かっわいいんだぞー。これまでにもテレビなどで15秒〜1分くらいの4コマまんが的なのをいくつか紹介したり、それらのデータをフロッピに収めてフリーマーケットで売ったりと、地道な努力を続けてきたのが、ついに身を結んでCDーROMデビューできることになったのだ。うれしいなあ。
まあ、CDーROMにもピンからキリまであって「ガジェット」や「ジャーニーマン」と違い、ぼくの場合コンピュータ・グラフィックというには、あまりにもおこがましい、サインペンで紙に描くのとほとんど変わらないような、2次元の、ベタッとした、ペイントソフトのみを使って描いたビットマップまんがなんですが。スキャナで下絵を読み込むとか、タブレットを使う、といったこともなく、マウスひとすじの簡単お手軽コミック。しかしもう6年やってますから、ある程度のところは極めた、という自信はあります。3Dとかフォトショップとかポストスクリプトとかムズカシイこと考えず、イージーにコンピューターでイラストやりたい人には少しは参考になるか、と思うんです。
それと、これまでのCDーROMがけっこう懲りに凝った3Dグラフィックを見せるものだったりすると、それが操作の重さにもつながり、なかなか先へ進めない、あるいは場面転換のたびに画面が黒みを見せてからモザイクになったり砂目模様になったりヘンなワイプをするという、もったいつけた効果をつけたりしてるため、よけいに重くなってる、ということもあり、そこんとこが気になってしょうがなかった。もちろん苦労して作ったクオリティの高い絵をさらに立派に見せたい、というのはわかりますが、一般ユーザーにはそこまで作り手の思い込みは伝わらないぞ。ぼくが作るなら、そんなのはスッ飛ばしちゃって軽ーくサクサク動くやつにしたい。あんまりアッサリしすぎるとチャチく見えて業界のうるさがたの評価は得られないんだろうが、それでも重いよりマシだい。アクセスの重さのみが気になって、なかなか最後まで遊べるモノの少ないCDーROMの中で、たとえ「えー、もう終わりかよ、つまんねークソゲー」と言われても、誰でも最後まで必ずその日のうちに終われる、サクッとしたゲームを作りたーい。期待してください! お願いしまーす。