CD-ROMでは、いぬちゃんは会社犬になっていますが、いぬちゃんが中学生という設定のマボロシのシナリオもありました。
< オ-プニングステ-ジ >
1
わんわん学園・授業中
いぬちゃん「おい、あのさあ、タケノコの森の次、どこへ進めばいいの?」
ともだち「え、森に入る前にとんがり村のコ-ヒ-ショップで幸福行きのキップ買った?」
いぬちゃん「知らないよ、そんなの」
ともだち「ばっかだなあ、それないとまたキノコの山に逆戻りだぜ」
いぬちゃん「え-!」
先生「こら、そこ! うるさいわよ」
いぬちゃん「いけね!」
ベルの音
先生「はい、今日はココまで」
ともだち「よし図書室行って、攻略本見ようぜ」
先生「あと、それから、いぬちゃんは職員室まで来るようにね」
いぬ「え-!」
ともだち「あ-あ、怒られるぞ-」
いぬ「なんで、ぼくだけ-?」
職員室
いぬちゃん「すいませ-ん」
先生「もう、授業中ムダ話ばかりしてちゃダメよ!」
いぬちゃん「ごめんなさい」
先生「ところで先月、作文コンク-ルあったでしょ、いぬちゃんの作文ね、先生がクラス代表ですいせんしてたのよ。そしたら街中の学校全部の中でグランプリを取ったんですって」
いぬちゃん「え-! やったあ、じゃ賞金もらえる?」
先生「これから校長先生に聞いてみましょ」
いぬちゃん「わあい」
校長室
いぬちゃん「失礼します」
校長「おお、君がいぬちゃんか。おめでとう」
いぬちゃん「ありがとうございます」
校長「あの作文はよかったぞ。他の学校の先生もみんなホメてた。君はわが街の誇りだ!」
いぬちゃん「いや、それほどでも、ところで賞金のほうは���」
校長「特に「とんがり村を抜けると、そこはタケノコの森だった���」なんて表現がすばらしいな」
いぬちゃん「あ、しかし、そこはちょっと失敗で、ほんとは先にキップを買わないと」
校長「ん? 自分の作品にキビしいんだな」
いぬ「あ、いえ」
校長「表彰式は来週の月曜だが、その前に実は明日、世界じゅうのどうぶつの子供たちが集まる国際子供どうぶつ会議のオ-プニングパ-ティが明日、停告ホテルで開かれる。君にこの街の、いや日本の代表として行ってきてほしいんだ」
いぬちゃん「え-! 先生もいっしょですか?」
校長「いやいやあくまで子供同士のコミュニケ-ションだよ。自分だけの力で友だちをいっぱい作ってくるんだぞ」
いぬちゃん「でも、ぼく英語の成績は1なんですけど���」
校長「じゃあ、これを機会にとりあえず勉強しといたらどうだ? 成績上がるぞ」
いぬちゃん「誰か通訳か、携帯翻訳機でもつけてくださいよ」
校長「だめだめ、何事も自分で経験して、カラダで言葉をおぼえなきゃ。いいか、わしがな25年前にはじめて、ひとりで、いや一匹でニュ-ヨ-クに留学したときは、まだ1ドル360円だった。そしてわしは���」
校長の演説が続きながらフェイドアウト。
2
いぬちゃんの部屋。
いぬちゃん「結局、賞金のこと聞けなかったなあ���」
母の声「いぬちゃん、ごはんよ-」
いぬちゃん「今いらないや-。とりあえずがんばらなくちゃな。よおし、今夜は徹夜だ-」
母「今日はお前の好きなタマゴカレ-だよ」
いぬちゃん「ふむふむ、犬が寝るからケンネルと���。なんか眠くなっちゃったな-」
母「あら」ドアを開けてアキレる顔。
参考書の山に埋もれて眠るいぬちゃん。
3
停告ホテル・報応の間。
いぬちゃん「こまったな-。ぜんぜん勉強できなかった-」
おおぜいのどうぶつでごった返す会場。
いぬちゃん「わ-、どうしよう」
受け付け「こんにちは、何名様ですか?」
いぬちゃん「えっ、わ、わん!」
受け付け「では、この名刺を胸につけて中へどうぞ」
いぬちゃん「あれ-、日本語通じるやつはいないのかな-」
ウエイトレス「ドリンクはいかがですか?」
いぬちゃん「えっ、わ、わん!」
ウエイトレス「では、ジュ-スをどうぞ」
いぬちゃん「ふ-。なんとか、わんわん言ってればごまかせるかな」
楽しそうに語らっている、めすいぬちゃんを発見。
いぬちゃん「お、かわいい子、よし話しかけちゃおう」
近づくいぬちゃん。
いぬちゃん「は、は、はろ-、あいむ、じゃぱに-ず」
@ 話しかけられためすいぬちゃんとのチグハグなやりとりのギャグあって
舞台上、司会の男「それでは、ここで日本の学校の代表から世界のお客さまに歓迎のスピ-チをいただきます。わんわん学園のいぬちゃん!」
司会の女「いぬちゃん、ステ-ジへどうぞ! スピ-チをお願いします」
めすいぬちゃん「ユ-、呼んでるわよ」
いぬちゃん「え-! ぼく? 聞いてないよ-」
ステ-ジに上がる、いぬちゃん。アガって汗をかいている。
いぬちゃん「あ、あの-」
司会の男「みなさんにおわかりになるように英語でお願いします」
いぬちゃん「え-! 弱ったなあ。日本語でもスピ-チなんて苦手なのに」
悩みながらパンパン腕を叩くいぬちゃん。そのリズムの中で。
いぬちゃん「そうだ、ぼくには歌がある!」
司会の男「どうしました?」
いぬちゃん飛び上がって歌いだす。(バンドもいないのに、なぜか伴奏が流れ出す)
ウエルカム・トウ・トキオ・ジャパン
アイ・アム・ジャパニ-ズ・スチュ-デント
エブリディ・ハ-ド・スタディ
アイ・アム・いぬちゃん
バット・ハピネス・イン・マイ・ハ-ト
ベリ-・エンジョイ・トウナイト・パ-ティ
フレンドシップ・オ-ル・オブ・ザ・ワ-ルド
アイ・アム・いぬちゃん
場内盛り上がり、大拍手。
めすいぬちゃん「イッツ、グレイト!」
@ ステ-ジを降りるいぬちゃんを、どうぶつたちが囲み、たたえる
いぬちゃん「なんだかわからないけど、みんなホメてるみたいだぞ。やっぱりカタコトでもいいから知ってる単語をとりあえず並べればいいんだな」
いぬちゃん、手を上げ「サンキュ-、サンキュ-、カモン・ベイベ-・ハニ-」
一瞬の沈黙のあと、また拍手。
いぬちゃん「サンキュ-、サンキュ-」
4
わんわん学園
校長室
校長、トロフィ-を磨いている。
いぬちゃん「おはようございます、あ、それぼくのグランプリですか」
校長「はは、コレはわしが40年前に弁論大会でもらったヤツだよ。ところで昨日は大ウケだったそうじゃないか」
いぬちゃん「いや-まあ、ははは」
校長「それで街の教育委員会からも、ぜひ君を交換留学生として夏休みに世界各国を旅してもらおう、ということになった」
いぬちゃん「え-!」
校長「昨日知り合ったいろんな国の友達を訪ねて歩くといい。しかし予算の関係でやっぱり君ひとり、いや一匹で行ってもらわないといけないがな。先生がついてくより、そのほうが気楽でいいだろ」
いぬちゃん「心細いなあ。でグランプリの���」
校長「おう、それで実はグランプリの賞金やトロフィ-もすべて、旅行の費用に役立てることにしたよ」
いぬちゃん「え-!」
校長「だから表彰式も2学期になってからだな。賞状くらい作っとくよ。まあ君はこの旅でトロフィ-や賞金なんかより、もっと価値あるものを手にするんだ。またくわしくレポ-トを書いて発表してもらうぞ」
いぬちゃん「え-、ガッカリ���」
5
ゲ-ムセンタ-
ともだち「すげえなあ世界一周かあ」
いぬちゃん「でも、ひとりだなんてコワイよ-。それに夏休みコレで全部ツブレちゃうんだぜ-」
ともだち「おれみたいにどこも行く予定ないよりいいじゃんか」
いぬちゃん「旅行より賞金のほうがよかったなあ」
ともだち「だけど、あっちで女の子が待ってるんだろ?」
いぬちゃん、めすいぬちゃんを思い浮かべ「え-、まあ���」
ともだち「いいなあ」
6
いぬちゃんの家の居間
母「たいしたもんだね。お前、日本の代表かい。父ちゃんが生きてたら喜ぶだろうねえ」
荷造りをしている、いぬちゃん「ぼくも生きて帰ってこれるかわかんないよ」
母「なに気の弱いこと言ってんだよ。まあ生水だけは気をつけて。あとコレ持っていきな」
母、お守りを投げる。「父ちゃんの形見だよ。何か困ったときがあったらヒモをひっぱってみな」
いぬちゃん「わかった、母ちゃん、ありがとう」
7
成田空港
リムジンバスから降りる、いぬちゃん「海外もはじめてなのになあ」
いぬちゃんを物陰から見つめる悪徳旅行業者チャ-リ-。
いぬちゃん「あれ? え-と」
チャ-リ-「へい、どうしたい?」
いぬちゃん「中華航空のカウンタ-は���」
チャ-リ-「こっちだよ荷物持ってやるぜ」
いぬちゃん「すいません、ご親切に」
@ 空港の使い方もよくわからない、いぬちゃんのギャグなどあって、
いよいよ飛行機に乗り込み、離陸。
@ 荷物を横取り、物色するチャ-リ-の前に現れる謎の女。
@ 機内。スチュア-デスとのチグハグなやりとりのギャグあって。
7
香港啓徳空港
いぬちゃん「ついたついた、意外と近かったなあ」
荷物受取に並ぶいぬちゃん。「あの娘、迎えに来てるかなあ」
いつまでも荷物が出てこない。
いぬちゃん「おかしいなあ、すいませ-ん」
いぬちゃん「ア-、マ、マイバゲッジ」
係のもの「ノ-。ジス・ジ・エンド」
いぬちゃん「え-! あっ、そういえば」チャ-リ-の顔を思いだす。
いぬちゃん「ちくしょ~、あいつめ」
絶望的な顔のいぬちゃん「でも、どうしよう。荷物なくなっちゃった~」
< ステ-ジ 1 香港 >のタイトル
空港
めすいぬちゃん「ハロ-!」
いぬちゃん「オ-、ハウ・ア-・ユ-」
@ いぬちゃんはめすいぬちゃんに荷物を失ったことを告げ、めすいぬのオゴリで香港の秋葉原と言われる街やタイガ-パ-ムガ-デンや港を見物しながら海外旅行の注意点を教わる。
@ ホテルに予約の取り消しに行ったいぬちゃんだが、なぜか荷物がフロントに届いている。ホッとしてレストランでディナ-を楽しむ、いぬとめす。それを見つめる謎の女。いぬちゃんの世界旅行計画を聞かされ「連れてって」とねだるめす。
@ めすを迎えにくる、めすいぬパパ。次の日うちに遊びにいく約束。部屋に戻って母ちゃんと先生に手紙を書くいぬちゃん。
@ 翌日、迷いながら、めすいぬのうちにたどりついた、いぬちゃん。
超高層マンションの最上階。部屋は狭いが、香港では上流階級のよう。
めすはすでに旅行の準備を整えてる。「さ、いっしょに行きましょ」
娘にねだられてしょうがないからなあ、と頭をかくパパ。
空港に向かう2匹。
@ 空港。航空券を買いに行く2匹の前に格安航空券を売りにくる悪徳旅行業者。まんまとだまされてキップを買ってしまういぬちゃん。とんでもない遠回りの路線でしかもオンボロな飛行機だった。
「こんなこともあるわ、ノンビリ行きましょ」と落ち着いてるめすいぬ。でも飛行機が揺れるのでコワイ。
< ステ-ジ 2 インド >のタイトル
@ すっかり気持ち悪くなったうえに、待ち合わせの時間から5時間も遅れてしまったいぬとめす。あわてて空港から電話しようとするが、とらちゃんはまだ待っていた。さすがインドはのんびりしている。
@ リクシャ-に乗ってデリ-の街を案内される。ガンジ-の墓を見る。象にも乗ったりする。ごはんを食べ、カレ-好きのいぬちゃんもおどろく辛さ。インドの秋葉原と呼ばれる街にも行くがキタナイのでびっくり。ヒンズ-教についても勉強する。
@ とらちゃんのうちに泊まる2匹。大きな屋敷にびっくりする。やはりインドで英語の読み書きができるのは上流階級のようだ。とらちゃんも旅行に同行したがるが、大きな商店を経営するパパは「行くかどうかは私でなく先生に決めてもらおう」という。
@ 翌日、インドの山奥へ。パパが商売のとき大事なことはすべて相談するという、高僧ダイバダッタのもとへ。いきなりツライ修業をさせられるが、旅行に行くことをOKされ、パパも納得。
< ステ-ジ 3 >へ続く
しかし、これ以上続きません。
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