Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
12月11日に起きた過去の出来事、それに付随した出来事をアレコレ綴ります。
『たけし軍団』の一員、井手らっきょ氏の誕生日は1959年12月11日だそうです。
その『軍団』の創設者であり『殿』こと北野武氏が、昭和の深夜番組で昔の浅草について、面白おかしく語っていました。そのエピソードトークによると、かつての浅草には屋台を装ったヒロポン(覚醒剤)販売所があって、その店では看板に書かれた商品は無く、客はみな禁断症状でブルブル震えながら注射の順番を待っていたと。また彼の師匠が闇工場を訪れた際、工場長が自分のこめかみに注射器を刺したままの状態で、建物から出てきたという話もしていました。さらに衝撃的なのは、近所の子どもたちが、ランドセルにヒロポンを隠し持って、小遣い稼ぎをしていたという逸話です。これは流石に冗談でしょうが.…全く恐ろしい時代です。
ちなみに名前の由来は「疲労がポンと飛ぶ」そんな由来だと聞いていましたが、どうもギリシャ語でフィロポノス(労働を愛する)、あるいはギリシャ語とラテン語とのミックスで、フィロポンという説の方が有力とされています。云々
黒澤明監督の名作『天国と地獄』は1960年代初頭を舞台とした作品です。物語は、高台の豪邸に住む、製靴会社常務・権藤金吾の息子と間違えられた、お抱え運転手の息子が誘拐されるところから始まります。その事件を軸に、緊迫した心理戦が繰り広げられるというサスペンスドラマです。
作品には、当時の横浜・黄金町の青線地帯を再現したカットが収められています。このシーンは道端のいたるところにヘロイン中毒者が倒れ込み、当時の荒廃した社会状況を如実に映し出していました。その誘拐犯を特定するための重要な手がかりとなったのが公衆電話でした。云々
1977年1月から2月にかけて、『青酸コーラ無差別殺人事件』という衝撃的な事件がありました。まだ子供でしたが、かすかにこの事件のことを覚えています。犯人は青酸ソーダを混入したコカ・コーラを公衆電話ボックスなどに置き、それを拾った人が被害に遭うという無差別殺人でした。この事件では3人が命を落とし、これを機に飲料容器の安全設計が進められることになったそうです。しかし、犯人は特定されないまま1992年に時効を迎えてしまいました。当時小学生だった私が、もし一人でいる時に未開封のコカ・コーラが置かれた電話ボックスを見かけていたら、どうしていただろうか….。なにか色々モヤモヤとした事件です。云々
公衆電話で使用するプリペイド式カード「テレホンカード」は、1980年代から2000年代初頭にかけて広く普及しましたが、しばらくして、偽造品が出回るようになりました。私が目撃したのは上野駅近くで、複数の中東系外国人がそれを売っていました。偽造テレホンカードの中には、無制限に使用できるものもあったようです。
テレホンカード普及以前、公衆電話での支払いは硬貨のみでした。その硬貨の一つ、100円玉は昭和42年(1967年)12月11日に初めて発行されました。これを記念し、毎年12月11日は「百円玉記念日」となっています。ただし、公衆電話での100円硬貨使用が開始されるようになったのは、発行から5年後の昭和47年(1972年)からのことでした。云々
1970年に『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎』(全24話+2話)というドラマが、東京12チャンネルで放映されていたそうです。最後の2話は特別編成で、12月11日。そして同月18日に放送されたとのことです。
その元ネタの推理作家、江戸川乱歩のデビュー作は『二銭銅貨』というタイトルでした。この貨幣は明治時代に流通しており、現在の貨幣価値に換算すると、おおよそ400円程度だと考えられています(2銭で立ち食いそばが一杯食べられたそうです)。その時代を舞台に、偽造硬貨をめぐる犯罪を描いた短編作品です。主人公の「私」が、友人・松村から聞いた奇妙な話を語る形で物語は進行します。この短編小説は単なる犯罪物語ではありません。松村が事件を緻密な論理展開で推理していく一方で、物語の最後には予想外の展開が待ち受けているのです。
江戸川乱歩の小説は、子どもの頃、主に少年版を愛読していました。西洋館(色々な作品によく登場します)、毛足の長い赤い絨毯(西洋館の絨毯と言えば、という私の勝手なイメージです)、埃っぽい空気とそこに漂う煙草の香り(同じく私のイメージ)、隠し扉(これは色々な作品に登場する定番の小道具のひとつですね)ヱトセトラヱトセトラ——これらの要素が織りなす世界観は、子供だった私にとって、とても刺激的な体験でした。
云々かんぬん。