Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
Gak Sato
このコラム、早いものでもう5年が経過し、6年目に突入です。
横川理彦さんとアルバムを作っていたのですが、ようやくスイスのWRWFWW レーベルからLP盤とダウンロードで発売が決まりました。
現在予約受付中で発売は3月4日。すでに4曲の試聴が可能です。
横川さんと振り返り対談をしました。まずはこの4曲について、聞きながら読んで頂けると嬉しいです。
Gak (G):時系列的に言うと、2021年にトイロミュージックの第1弾コンピレーションアルバム「Colors」を制作していて、発売は2022年1月。その後、第2弾コンピも作りましょうという話の流れの中で、2022年8月にコラボしましょうと僕が言っているんですよ。横川さんとメールのやりとりをしている中で、僕の作品をいろいろ送って感想をいただいたり、2022年の年末に横川さんがご自身の作品のCDを郵送してくださって。アルバム"Hlomozne ticho" に僕が勝手にテルミンを乗せたものを送って、「こんなことができる」というのが一番最初。実際に”連歌”の制作に入ったのは2023年からですね。2023年1月、ゴジラブルースのデモとしてMIDIと簡単なMP3音源を送っていただき、カリンバのような伴奏とメロディーが入っていたので、テルミンでメロディーを弾き、ソリーナ風のコードを加えたものを横川さんに送りました。
横川 (Y):なるほどね。メールを見たら、トイロミュージックのコンピレーション2枚目がGakさんと僕の共同プロデュースで、それとこのアルバムを作るのが結構並行していたということですね。実質、アルバムに入る曲でちゃんとできたのが、ゴジラブルースが最初ってことか。
A1 Lawrence
G:1曲目の「カホン」と呼んでいた曲は、カホンのリズムのループだけがあって、横川さんに送ったら声っぽい音をのせて返ってきたので、その後僕がイントロの音とかいろいろ足しました。Aの部分は割とすんなりできたんですけど、そこしかなくて、その後どうしようかみたいな感じだったんですよ。この曲は一番手間がかかったような気がします。
Y:そうだね。大きく成長したわけですね。僕はモーリス・ジャールのような「タララー」というメロディを後ろに入れて、ブラックパンサーやアラビア・ローレンスのような雰囲気が出ちゃって。そこからいろいろGakさんにやってもらって。なるほど、それでアラビアのローレンスか。で、ローレンスってのをタイトルにしたんだな。
G:この曲は力技で作った感じがしますね。従来の音楽文法で構成を作った感じがします。他の曲に比べると、ドラマ仕立てというか、A-B-Cがあってみたいな。
Y:ライブでやるんだったら、アフリカのパーカッションチームとフルオーケストラに生コーラスね。むちゃくちゃ言うな。これ、絶対ムリだ。
A4 Godzilla Blues
G:これってオリジナルバージョンの録音ってあるんですか?
Y:ない。でもライブでいろんな人とやってる。
G:これ、冷水(ひとみ)さんともやってたんでしたっけ?
Y:冷水さんね、ブルースというか半音進行というか、それを微分オルガンでやったことはあったかなあ。そういえば、デュオもやったことがあったし、やってるかもしれない。記憶が定かでないですね。これ、微分オルガンとかの音が入ったら、ものすごく合いますね。この辺とか、もっとピッチがファンキーだと、面白くなってくる。 サビのメロディは1回で覚えられるから、それがずれて気持ち悪くなると良いですよね。冷水さんは偉大な音楽家ですね。
G:効果音的に入っているテルミンは、この曲とは全く関係なく弾いたテルミンで、それを横川さんが入れたんですよ。
Y:なんだ、自分か。
G:横川さんの調子っ外れなシンセ、いいですね。この部分って、しっかりダブのベーストラックに乗っかってるから面白くなるのかなと。ダブの部分も抽象的すぎると、つまんないじゃないですか。
Y:そうだね、ただのサイケデリックになっちゃう。
G:不思議な曲ですね。どこかドラマチックさもあり。
Y:いろいろな流れがあるんですよね。日本軍が南洋に進軍したこととか、水木しげるの漫画になってる。僕の親父もフィリピンで捕虜になったんですよ。それとは別に、前にインドネシアに行ったときに、本島のちょっと上の花の形をした島(スラウェシ島)で4つくらいの村から集まってもらって、それぞれの音楽をやってもらったことがあって。1つの村は和太鼓みたいな太鼓を木に渡して、どんどこどんどこ。 完全に湿って腐りかけなので、倍音のない808のキックの音がする。みんなその場で踊ってるんだけど、面白くてセッションしてて。本番になったら、みんな伝統衣装着替えて、体にいろいろ塗ったりとか、化粧もパプアニューギニア系の白い感じ。なんだけど、ヘルメット被ってるんですよ。 ヘルメットにいろいろ付け加えられて角みたいになってるんだけど、よく見ると日本軍のヘルメットなのね。日の丸が書かれてる。それは戦争の時に残されていったもので、いろいろ想像したりして。それに、今最初の「ゴジラ」を見ても日本の昔の姿とは思えないくらい、遠い世界で現在生きているわけですからね。
B2 Turismo
Y:Gakさんにリズムものを作ろうって言って、それで始まって、アンビエントハウス的なものに。これはもう後半戦って感じかな。
G:そうですね。結局リズムは横川さんがやってるんですよ。四つ打ちですが、スネアの位置とかは横川さん。僕だともっとストレートにしちゃいそう。
鳥の声みたいなSEが入ってますがあれはE-mu Emulator IIのプリセットのLoon Gardenって808 stateのPacific stateとか、方々で沢山使われているアンビエントハウスといえばこの音色という引用。
全体的にストレートなのにどっか曖昧なところがいいですね。E-bowも入れてますね。
B3 Poco Dopo
Y:ピアノのアルペジオみたいなのを最初にGakさんが送ってきて。それでIRCAMのEvolutionっていう、なんでもサイン波にしちゃう、必ず美しいアンビエントにしちゃうエフェクトで加工した。それで全体の構成は最終的にGakさんが決めたんだね。これは割と後半に作ったものですよね。一番最後だったかもしれないですね。
告知です。
3月7日の16時より、お茶の水Rittor Baseにて、アルバムの試聴会とトーク、ミニセッションをやります。どうぞよしなに。