Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
横川理彦
ここのところ、Improviser’s Machine Orchestraという集団即興のグループに参加していて、とても面白いのです。フルートのMiyaさん主催で、ブッチ・モリスのコンダクションを元に色々な可能性を探っています。
コンダクションによる集団即興の歴史を辿れば、アール・ブラウンとかサン・ラとかザッパとかを挙げることもできるけど、コンダクションのみで集団即興を成立させるという意味では、ウォルター・トンプソンの「サウンドペインティング」とブッチ・モリスの「コンダクション」がスタート地点で、その後にジョン・ゾーンの「コブラ」や「Xu Feng」が来るのだと思います。「サウンドペインティング」と「コンダクション」は、ハンドサインの種類や使い方は似てるけれど、コンダクターのキャラクターや音楽趣味の違いによって、出来る音楽のニュアンスがずいぶん違う。ジョン・ゾーンのものは、ルールからしてポストモダンです。
こうしたアンサンブルの「中に入って」演奏するのも、コンダクターとしてその場でアンサンブルを成立させていくのも、どちらもとても面白いです。自分の即興演奏や作曲にも大いに役立つ。
この頃の日本の出来事としては、大友良英がディレクションしているアンサンブルズ東京のやり方が大いに成果を挙げてていて、音楽の専門家ではなくても大編成のアンサンブルに参加して音楽を楽しめる、とても良い指標になっていると思います。
自分の興味は、コンダクションのやり方というよりは、それを通じてマルチグルーブ状態の音響を作りたいのだけど、竹下勇馬の複数の非同期発信機による演奏ではすでにそれができていて、これを人間でやるにはどうすればいいのか思案中です。