Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
ゲイリー芦屋
やっと!やっと出たんですよ。何がって『トワイライト・ウォリアーズ決戦!九龍城砦』のオリジナル・サウンドトラックが!しかもアナログ(LP)まで出るとなれば即買いするしかない。さらにさらにジャケット&帯のデザインがこれですよ!
まさに往年の香港映画日本版サウンドトラック盤の趣き、っつーか『ポリス・ストーリー香港国際警察』かよ!と全映画ファンが突っ込む様が目に浮かびますなー。見よ、この帯に輝く「本命盤」の印を!本盤の企画・ジャケットデザインは樋口真嗣氏。さすがわかっていらっしゃる。全曲収録はさすがに厳しく、特に重要な曲に厳選されているがそこはやむをえない。
映画の内容はまあ最高of最高だったんで今更紹介するまでもないんだけど、上映当時「あ、このサントラはやばい。即買って研究しなければ」と鑑賞後、いの一番にリリース情報をググれど影も形もなし。待てど暮らせど続報がないまま時間だけが過ぎていったのが、ついに…ってことですよ。しかもこれ以上望むべくもない最良のパッケージで!ああ、生きててよかった!ここまできたらニセトラのシングルを演奏/ユニオン・スクリーン・オーケストラでリリースするところまで妄想しちゃう(ディスクユニオンだけに笑)。
本作の音楽は巨匠・川井憲次さん。ライナーノーツの制作裏話も読み応えがありますが、やはり圧巻はラスト20分ぶっ続けのアクションシーンを支え続ける、途切れることない劇伴のレコーディング話。「緩急ある」…ではなく「急しかない」…ってのは書くのも演奏するのも本当に大変ですよね。レコーディング終わりに弦の人たちが腕をぶらぶら……という光景は、筆者も占拠シリーズのレコーディングで毎度お馴染みなのでわかりみ深いです。
『トワイライト・ウォリアーズ決戦!九龍城砦』で個人的に最も刺さったのが、80年代の九龍城砦を再現した撮影セットのクオリティ。無計画に不法増改築された複雑な間取り、天井でカオスに絡み合う配線、悪臭まで漂ってきそうなゴミ溜め……写真集や画質の悪い記録映像でしか知らなかったあの場所が、スクリーンの中に確かに立ち現れていた。
見たことない……と書いたが、実は筆者、80年代末の香港旅行で実際の九龍城砦を目撃している。といってもタクシーの窓から「ここがかの有名な…」とおっかなびっくり奥を覗いた程度だったのだが、その異様な不法建築美のインパクトは今も忘れられない。そんな筆者が九龍城砦の魅力にがっつりハマる決定打となったのが、1997年にソニーミュージックエンタテインメントから発売されたプレイステーションのゲーム「クーロンズゲート」だ。不衛生と混沌の極北のような世界観に安らぎすら覚えてしまうのは、長い時間をクーロンで過ごしたからに他ならない。蓜島邦明さんによる音楽も素晴らしかった。
さて、『トワイライト・ウォリアーズ決戦!九龍城砦』に話を戻して。現在、九龍城砦の跡地は公園になっており、その中に3年間の期限付きで映画セットの一部が公開され、本作ファンが訪れる聖地となっている。なんとかこの展示期間が終わる前に、再度香港の地を踏んでみたいものだ。