Toyroメンバーのリレー・コラムです。ぜひ、お楽しみください!(代表・横川理彦)
冷水ひとみ
「微分音」などと大げさに掲げるのはもう古いかんじなので片仮名にしてみる。
というのも、ついに、気軽なかんじでビブンオンを奏で、唄う人達が増えてきましたよね。
特別なこととしてではなく、普通に、自然の流れの中で使っていて、世界はいよいよ収まるべき形に収まってきたと嬉しく思います。
いったいどういうアルゴリズムでそうなるのか、インスタが次々と私好みの面白い音楽を紹介してくれるのが驚きですが、すく次に流れて行ってしまうので、なにがなにか分からぬままになるのが残念。更に、うっかりしているとThreadとかいうSNSが飛び出してきて、やたらピアノの先生の悪口などが目に入り、すっかり嫌になってしまう。
アレをOFFにしようとして色々やってみたけれど、うまくいかない。「ウダウダ言ってまで音楽習わなくてもいいんじゃないですか?」と書き込みたくてウズウズするのだけど、やっぱり”触らぬ神に・・・・・” ですよね? いったい何なんですかね、あのグチグチ掲示板は?
さて、そんなインスタで度々流れてきて、いつもイイなって思う方の動画をYouTubeで拾ったので少しだけご紹介してみます。
イギリスのAvant-pop (というジャンルがあるのか?)のアーティスト、コンポーザー。
今年、来日されていたようで、人気上昇中の方かもしれませんね
素晴らしい。Jacob Collierみたいな超絶技巧派のマルチプレーヤーですね。
ビブンオン指板のギターを弾かれていたり、かなりDeepなマイクロトナリストとお見受けします。
爪を隠している鷹に違いない
と思ったら、やはりガチの大マイクロトナリスト、トルガハンと共演されているのを発見!
ドキドキするほどすてき。
ビブンオンを使う匙加減をよく見極めた冷静な曲作り。生ピアノを自分でハンマーを使っててピッチを変え、弾き唄いをしたりもしておられます。
カナダ、シドニーの二人組。ベースとギターのツインヘッドをルーパーを駆使してひとりで弾き続ける人と、ドラム、というシンプルな構成だが
マイクロトーンのフレーズが変拍子と一体化してグルーヴが白熱していくのが心地よい。大好き、これ。ドツボ。
でも、このバンドってもしかしてすごく人気がある??? 再生回数、巨大。
Fuji Rockに出た?
ビートが面白くてグルーヴがノリノリだとビブンオンでも許されるんですね。
いやあ~世の中変わったもんだ。
今までは「音律理論」にとらわれすぎる人が多かったのが、最近になってメロディーとしてのビブンオンを奏する人も増えてきました。 ところが、ここには罠がある!
つまり、隣の音に行くのでなければ、聴いた人にはビブンオンには聞こえない。結果として、何曲も作っているといつも隣の音を連ねるので同じようなメロになってしまう。
そして、そういうメロにコードが付くと、結局はコードの飾りとしての「経過音」に聞こえてしまう。
だからこそ、このバンドは、コード展開はせず、あくまでメロを重ねていく形にしているのが素晴らしい。フレーズ自体は似たようになってしまうが、ルーパーで重なっていくことで
ビートとビブンオンが絡みついて独特のグルーヴになっていく。「リフによるグルーヴのためのビブンオン」というべきかもしれない。
一人で演奏しているから、ピッチも合わせやすい。よく考えた結果なのだと思います。それにしてもルーパー使うのうまいなぁ。ライブで失敗することないのかしら? 私もルーパーは持っているけれど全然だめです。しくじったら悲惨ですからね。
ウイーンのグループのようです。
なんだかよくわからないけれど、インスタに流れてくる短いクリップが面白いのですが、発見できず。
ほかにも急に色んな人が出てきているようです。みんな難しいことを簡単そうにやっていて楽しそう。
知らない間に世界は変わっている。私も、なにか新しいことをやりたいという気持ちになります。
最後はお友達、Chris RainierのHarry Partch 改造ギターのレプリカによるSOLO
彼が京都に来られたとき我が家に滞在され、私のオルガンとセッションしようとしたのですが、TUNINGのすり合わせだけで数時間かかり結局なにもできなかったことがあります。
純正律をベースにした音律の場合、とにかく全く同じTUNING、同じピッチの基音にしないと、どうしようもなくなります。ギターはピッチを調節できるとはいえ、なかなか簡単にはいかない。罠はいたるところにあるのですが、皆、自分なりのアイデアや工作で乗り越えているようです。簡単そうに、楽しげにやっているところが、いいですね。
ビブンオンであろうがなかろうが、音楽として魅力的であればよいという結論がはっきりと出た2026年だと思います。